12月6日、今日の京都市左京区は晴れ。
テレビから漏れ聞こえていた「雪」やら「冷え込む」といった言葉とは裏腹に、
昼過ぎの空は青く、眩しかった。
ちょっと車の中で待ちぼうけ。
ぽかぽかとした日差しに照らされた神社の朱色。
7割ほど葉の散った大きな銀杏の木が、
残った葉をきらきらと黄金色に輝かせながら揺れている。
ゆったりとしたズボンにコートの老夫婦が、手を繋いで歩いている。
史跡案内の看板の前で足を止めるも、固く握り合った手はそのまま。
綺麗な銀杏の葉を見つけては拾い歩いてるお嬢さん。
アスファルトと同じ色の服を着た青年が、
少し前かがみな自転車に乗って車の横を通り過ぎていった。
こんな辺鄙なピンポイントの地点に留まって、車の窓から外を見ているだけで、
世の中に生きている色々な人に出会う。
その生き様も性格も様々で、
話すこともなく、目を合わすわけでもなく、
ただ通り過ぎるだけ、すれ違うだけの関係。
ときたま、人ってなんだろう。
生きるってなんだろう。と、こむづかしい考えが頭をよぎる。
子供の頃、外遊びからの帰り道、
見知らぬ家々から漂う夕飯のにおいと、オレンジ色の暖かい光、
ときたま聞こえる家族の会話に、家路を急いだ。
そして、ここにもひとつの家庭があるんだなぁ、なんて考えていた。
車に乗るようになったら、夜景を見に行く機会が増えた。
その時も、ひとつひとつの灯りというシールドの中に、
家庭があったり、会社があったり、
この世の中で生きる人々のエネルギーや生活を感じた。
同じ時代に生まれながら、殆どの人とは一生会うことがない。
すれ違っただけでもすごい確率なのかもしれない。
出逢えた友人、そして家族・・・
大切なものを守りたいと思う私のシールドが、
今宵も、夜景の中のちっぽけなひとつの灯りとして輝いている。
冬の夜には、こんなこむづかしい考えが頭をよぎる。
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