11月10日、今日の京都市左京区は晴れ。
気持ちのいい青空です。
日本には紅葉・黄葉の名所が数多くあり、古来よりその美しさに心を奪われ、
和歌などに詠まれてきました。
なのに、枕草子や源氏物語にも、
黄金色に輝いていたはずの「イチョウ」は出てこないのです。
日本でイチョウについての記述がはっきりと出てくるのは、
15世紀中期以降、室町時代なのです。
「イチョウの種」も古代の住居跡などから発見されていないのです。
え?じゃあ、イチョウって、比較的新しい木なの?なんて思ってしまうのですが、
実は、イチョウは、「生きた化石」と呼ばれるほど大昔からある木で、
2億年前にはすでに、イチョウ類は、
その「実」が大好物な恐竜たちによって、
各地に恐竜のフンと一緒にばらまかれ、広く繁殖していたといいます。
しかし、氷河期がやってきて、恐竜の絶滅とともにイチョウも衰退してしまい、
世界のほぼ全域から姿を消してしまったのだそうです。
ところが、中国の山の片隅で、たった1種類のイチョウが生き残り、
それが里に移され、育てられたのです。
すくすくと育ったそのイチョウたちは、
日本にやってきました。
そして日本を経由して、世界中で栽培されるようになりました。
だから、現生するイチョウは、なんとこの1種類のみなのです。
当時の主な目的は、薬用・食用だったようです。
今もギンナンやイチョウ葉エキスは健康食品として話題ですもんね。
また、樹皮はコルク質が発達していて耐火性があるので、
火防(ひぶせ)の木ともいわれ、神社などの防火用に植えられ、
大気汚染に非常に強いことから、
街路樹としても用いられるようになったのだそうです。
何気なく目にするイチョウの街路樹。
今年も剪定が始まるわ〜なんて眺めていたのですが、
じつは、すごい資質を秘めた素晴らしい木だったのですね♪
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